親権(総則・効力・喪失)(p11・メモ818)

🌲 親権 

 親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し義務を負う。

🔲 親権者 ⇒ 成年に達しない子は、父母の親権に服する。

・ 親権は、父母の婚姻中は、父母が共同して行う。婚姻関係にない場合は、どちらかが単独で行う。

・ 非嫡出子の親権者は、母となる。が、父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が親権を行う。

・ 子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって親権者を他の一方に変更することができる。

🔲 親権の効力

○  父母の一方が共同の名義でした行為の効力

⇒ 父母が共同して親権を行う場合において、父母の一方が共同の名義で

子に代わって法律行為をし又は子がこれをすることに同意したときは、他の一方の意思に反したときであってもその効力を妨げられない。

相手方が悪意のときは、効力生じない。

🔲 利益相反行為

○ 親権者たる父又は母とその子との利益が相反する行為については、親権者は、その子のために特別代理人の選任を家庭裁判所に請求しなければならない。

・ 父の借金を担保するため子の土地に子を代理して抵当権をする場合など(共同親権なら母とは利益相反とはならない)対して

三者の債務を担保するため子の土地に親権者が代理して抵当権を設定する行為は、利益相反行為ではない。

🔲 親権の喪失

○ 親権停止の審判(家庭裁判所が請求により行う)

・ 父又は母による親権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときは、次の者の請求により父又は母について親権停止の審判をすることができる。

 ア  子、その親族(未成年後見人、未  成年後見監督人)

 イ  検察官

○ 管理権喪失の審判

家庭裁判所が請求により行う。

・父又は母による管理権の行使が困難又は不適当であることにより子の利益を害するときに

・子、その親族、未成年後見人、未成年後見監督人又は検察官の請求により審判をする。wyx2404tuv

 

売買の効力(P10・メモ560)

🍀 売買ー売買の効力

 売買の目的物に瑕疵等があった場合の買主の権利(売主の担保責任)

🔲 買主の追完請求権

 引き渡された目的物が

種類、品質又は数量に関して

契約の内容に適合しないものであるときは、買い主は、売主に対し目的物の修補、代替物の引き渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。

 不適合が買い主の責めに帰すべき事由によるときは、履行の追完を請求することができない。

🔲 買主の代金減額請求

買主が上の履行の追完を請求することができる場合において、

買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買い主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。

○ 催告することなく直ちに代金減額の請求をすることができる場合

 ただし、その不適合が買い主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、代金減額請求不可。

① 履行の追完が不能であるとき。

② 売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。

等々

🔲 買主の追完請求権、代金減額請求権の行使あっても

債務不履行による損害賠償請求、

契約の解除権の行使はできる。

・ 契約の解除は、売主に帰責事由なくでもできる。

🔲 目的物の種類、品質についての担保責任の期間の制限

 買い主に引き渡された目的物が種類、品質に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買い主は、不適合を知ったときから1年以内にその旨を売主に通知しないときは、履行の追完等の売主の担保責任の追及できない。

   ただし、売主が引渡しのときにその不適合を知り、又は重大な過失によって知らなかった時はこの限りでない。

🔲 代金の支払期限

目的物の引渡しについて期限があるときは、代金の支払についても同一の期限を付したものと推定する。

🔲 代金の利息の支払と果実

○ 売買の目的物の引渡し前に目的物について果実を生じた場合 

その果実は、売主に属する。

(物の引渡しがない限り果実は、売主に属し、買主は利息の支払不要。売主が代金の支払を受けている場合は、果実の収取権はない。)

 買主は、目的物の引渡しの日から、代金の利息を支払う義務を負う。abc2404zyx

 

 

権利質(質権)(P9・メモ362)

🍀 質権ー権利質

🔲 質権 ⇒ 質権者は、その債権の担保として債務者又は第三者から受け取った物を占有し、かつ、その物について他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。

○ 質権は、譲り渡すことができない物を目的とすることができない。

※ 譲り渡しできなければ換価できない。

・ 当事者が譲渡禁止の特約を付した債権について、質権の設定は、できる。

質権者に悪意又は重大な過失があったときは、第三債務者は、その債務の履行を拒むことができる。

・ 質権者自身に対する債権も目的とすることができる。(銀行が融資の際に被融資者の定期預金を担保にとる=質権を設定する)

🔲 権利質

質権は、財産権をその目的とすることができる。債権も当然に質権の目的となる。

○  債権を目的とする質権の対抗要件

・ 第三債務者に質権の設定を通知し又は第三債務者がこれを承諾しなければこれをもって第三債務者その他の第三者に対抗することができない。通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ第三債務者以外の第三者に対抗できない。

この対抗要件具備後に質権の目的たる債権を差押えた第三者がいてもこれに対抗できる。

○ 質権者による債権の取立て

 質権者は、質権の目的である債権を直接に取り立て可。

・ 質権の目的たる債権の弁済期が質権者の被担保債権より早く来るときは第三債務者に供託させることができる。

・ 債権の目的物が金銭のときは、自己の債権額に対応する部分に限り取立て可。

・ 質権の目的物が金銭でないときは、質権者は、弁済として受けたものについて質権を有する。abc2404xyz

 

 

先取特権(s8・メモ306)(担保物権ー先取特権の種類)

🍀 (担保物権)先取特権

🔲 動産の先取特権

 民法その他の法律により一定の原因に基づいて債権をを有する者は、債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する。(先取特権)

🔲 物上代位(304)

Aは、Bにカメラを売った。Bは、Cにそのカメラを転売した。

Bは、代金をいまだにAに支払わない。

Aは、BのCに対する売買代金請求権を差し押さえて先取特権を行使することができる。(物上代位=カメラに代わるもの(金銭(債権))に効力を及ぼすイメージ)

上代位権を行使するためにはその売買代金請求権を、金銭の払い渡しの前に差し押さえをしなければならない。

  仮にBのCに対する売買代金請求権が他の債権者によって差し押さえ(仮差押え)られていても、その後、先取特権者は、目的債権に対し物上代位権を行使できる。

 

🔲   動産の先取特権は、次の原因によって生じた債権を有する場合に債務者の特定の動産について存在します。

・不動産の賃貸借

・ 動産の保存

・ 動産の売買

     等々(※商売に関するものと記憶)

① 不動産賃貸借の先取特権は、

不動産の賃貸借関係から生じた賃借人の債務に関し、賃借人の動産について存在する

・ 土地の賃貸借なら、その土地に備え付けられた動産などに。

・ 建物の賃貸借なら賃借人が建物に備えつけた動産に。

②  賃借権の譲渡、転貸の場合は、

賃貸人の先取特権は、譲受人又は転借人の動産にも及ぶ。(受けるべき金銭も同じ)

③ 賃貸人が敷金を受け取っていた場合は、

その敷金で弁済を受けない債権の部分についてのみ先取特権を有する。

🔲 不動産の先取特権

不動産の保存、工事、売買によってて生じた債権を有する者は、債務者の特定の不動産について先取特権を有する。(順に不動産保存の先取特権、不動産工事の先取特権、不動産売買の先取特権という)

○  これら3つの先取特権が互いに競合する場合の優先権の順位は、次のとおり。(先取特権の文字は省略)

→ ① 保存 → ② 工事 → 売買

対抗要件は、不動産だから登記。

・ 登記をした不動産保存の先取特権、不動産工事の先取特権は、登記をした抵当権に先立つて行使できる。(※ 不動産の価値を高める又は維持するので抵当権者とっても有利)

対して、不動産売買の先取特権は、一般原則通り登記の前後による。gih2404onm

 

 

 

占有回収の訴え(占有権の効力)(メモ197・s7)

🍀 占有権ー占有権の効力ー占有の訴え

🔲 占有回収の訴え(197)

 占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。

○ 占有者が占有を奪われた場合に提起することができる。

・ 他人が紛失したものを拾っても「奪われた」とはならない。

・ 賃貸借終了後に賃借人が目的物を返さないからといって、賃貸人が勝手に目的物を取り戻すのは、「奪われた」場合になる。

※ 占有権の制度は、現状の占有状態を正しいものとして保護することにある。所有権などの本権があるか否かとは無関係。盗人がその占有を奪われれば占有回収の訴えを提起することは可。

○ 占有回収の訴えで物の返還及び損害の賠償を請求できる。

・ 両者は別個の権利。物の返還を受けてもなお損害があれば賠償を請求できる。

○ 占有回収の訴えは、侵奪者の特定承継人(侵奪者から侵奪物を買った者など)に対しては提起できない。

ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない。

盗人から窃盗の事実を知って買い受けた者に対して、被害者は、占有回収の訴えを提起できる。

🔲 会社の代表者が会社の業務として行う占有(物の所持)は、会社(法人)が占有者となる。代表者個人としての占有は、ない。

ただし、代表者個人のためにも所持するものと認めるべき事情かあれば占有者として占有回収の訴え提起可。gih2404tuv

 

 

所有権・対抗(物権変動)(S6・メモ106)

🍀 所有権の取得と対抗(物権変動)

🔲 不動産の物権変動

 ○ A所有の甲土地を、Bが書類を偽造しB名義の登記とし、Cに売却した。(登記名義はC) その後、

Aは、甲土地をDに売却した。

→ D は、所有権の取得をCに登記なくして対抗できる。

※ B は無権利者であり所有権はない。故にBから取得したCも所有権を取得せず無権利者。無権利者に対しては登記なくして対抗できる。

(無権利者が登記を得ていても真実の所有者には勝てない。= 登記に公信力なし)

○ 他人物の売買での所有権移転

A所有の乙土地を、Bは、Aには知らせず無断でCに売却した。その後Bは

Aから乙土地を取得しCに引き渡した。

・ 所有権は、AからBが乙土地を取得した時にCに移転するのが原則。

※  他人物売買では、Bは、Aから乙土地を取得しそれをCに売却するのが通常かもしれない。この場合は、Cに売却した時に所有権は、Cに移転する。(それ以前はBが所有権あり)

無断で他人物を売却した場合、初めにBがCに売却した時点まで所有権の取得時期は遡らない。

🔲 立木の物権変動

対抗要件は、明認方法( 又は立木法の登記)。

B所有の乙土地をAに売却したがその土地の立木の所有権を留保していた場合は、上の対抗要件を具備しておかないと第三者に対抗できない。

例えば、上のAがDに転売した場合に

Bは明認方法(又は登記)を備えておかないと立木所有権の留保をDに主張できない、となる。

🔲 動産の物権変動(対抗要件)

○  第三者対抗要件は、その動産の引渡し。

動産の寄託を受け、一時これを保管しているにすぎない者は、第三者に該当しない。

A所有の動産の寄託を受けたBがある場合において、AがCに該動産を売却した。Cは、引渡しを受けていなくてもBに所有権を主張できる。

○ 売買契約による所有権の移転は、意思表示のみでその効力を生じる、のが原則。法律上の障害があればそれがなくなったときに移転する。

特約で一定の日までに代金を支払わなければ契約は、失効する旨の解除条件付き売買(寄託中の動産について)においては、所有権は、契約と同時には移転しないのが原則(判例)

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消滅時効 ← 時効 (s5・メモ146)

🍀 時効→ 消滅時効

🔲 時効

○ 時効の利益の放棄

時効の利益は、あらかじめ放棄することができない。(時効の完成前の話)

🔲 消滅時効

 権利者が時間の経過によりその権利を行使することができなくなること。

○ 債権

・債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないときは、その債権は、時効によって消滅する。

・ 権利を行使することごできるときから十年間行使しないときも同じ。

○ 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができるときから20年間行使しないときは、時効によって消滅する。

○ 判決で確定した権利の消滅時効

確定判決(確定判決と同一の効力を有するものも含む)によって確定した権利については、時効期間は、一律10年となる。

(確定の時に弁済期の到来していない債権については、適用なし。)

○  不法行為による損害賠償請求権

① 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する。

②  不法行為の時から20年間行使しないときも同じ

○  人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効期間

・上の①の「3年間」とあるのは、5年間とし、②の20年間は、そのまま。(債権は、行使することができるときから10年間とあるので念のため)

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